鈴木大地 スポーツ庁長官
インタビュー

「ソトイコ!」では、毎号、オリンピアンたちが全国の小学校を訪問。スポーツの楽しみ方を教えてくれるよ。今号は、スポーツ庁長官で、ソウルオリンピック金メダルの鈴木大地さんが、東京都内の小学校を訪問。誌面にのせきれなかった言葉をお届けします。

suzuki02
元競泳選手。バサロ泳法でソウルオリンピック100メートル背泳ぎ金メダル。昨年秋、40代の若さで異例の中央省庁トップにばってきされた。千葉県出身。49才。

 鈴木さんは、1988年のソウルオリンピックの背泳ぎ100mで金メダルにかがやいた。水中を高速で進むバサロ泳法や、うでの力強さに、当時の子どもも大人もテレビに目がくぎづけになった。アメリカのバーコフ選手に体半分遅れていたのに、最後の10mで追い上げ、0.13秒差で破って逆転「金」。日本競泳界には16年ぶりの金メダルで、水泳ニッポンを復活させたんだ。

 鈴木さんは引退後、アメリカのハーバード大学で水泳を教えて、帰国後、医学博士になった。順天堂大学で「子どもとスポーツ」や「スポーツを続けると人はどのくらい健康になるか」を研究したんだって。

 スポーツ庁の初代長官になってから、日本のスポーツ界をもり上げるための政策や、スポーツによってみんなが健康で幸せに暮らすための政策に大いそがし。4年後に、東京オリンピック・パラリンピックもある。いそがしいなか、5月、千代田区立富士見小学校へ来て、泳ぐ楽しさを教えてくれたよ。

■ちょこちょこ練習するとだれでもうまくなる

 まず、鈴木さんは5、6年生のみんなにあいさつした。
「泳げると、おぼれないだけじゃなくて、ほかのスポーツもうまくなるよ。プロ野球選手は水泳経験者が多い。何よりみんなじょうぶになって、人生を楽しく生きられる」
 水泳は苦手…というお友だちには、やさしく言った。
「きっと、やる時間が少ないんだと思うんです。へたとかかなづちだと思わないで、時間を見つけてちょこちょこ練習すると、みんな上手になります。きっと上手になるから、そのつもりでがんばってほしいな」
 鉄棒や一輪車、国語や算数の勉強でも、きっと同じだね!

suzuki03■個性を生かそう

 「息がゼイゼイしてる人がいます。速さも大事だけど、楽に長く続けて泳ぐことも、たまにやってみましょう」
 楽に泳ぐ練習は、シンクロナイズドスイミングや水球などの競技にはとても大事なこと。ボートやセーリングなど水の上で行われる競技の選手たちが、命を守るためにも、身につける泳ぎ方なんだ。
 鈴木さんは、クロールや平泳ぎに加えて、生きていく上で役立つことも教えてくれた。
「ずっと泳いでると どう泳げば一番うまく進むかなって何となくわかります。何でも、たくさん練習することで上手になる。課題をこく服する楽しみや達成感もありますので、ぜひ、ちょう戦してください」「上手にできた自分たちにはく手!」

 これを読んだみんなも、今日、何かをやってみよう。好きなことを見つけたら、続けてみよう。準備して本番にのぞもう。
そして、一生けん命やったら、そんな自分にはく手をおくろう!