20××年、せかい中から
ファスナーがきえた
「うわっ、ねすごしたぁぁぁぁぁ!
ユウトは、とけいを見てとびおきました。どうやら、目ざましのベルをとめたまま、ずいぶんねてしまったようです。
「ママ、どーして、おこしてくれなかったのぉぉぉ!」
もんくをいいにいこうとおもいましたが、きょうはあさからうんどうこうえんでクラスのみんなでドッジボール大かいのれんしゅうをすることになっていました。これは、なんとしてもおくれるわけにはいきません。まずは、いそいで、出かけるじゅんびにとりかかりました。
「あれ??? なんだか、へんだぞ???」
へやを見わたして、ユウトはそうおもいました。
「きのう、ちゃんとしまったのに、えんぴつやけしごむがふで入れからとび出しているぞ。れんらくちょうも、れんらくちょうぶくろからはみ出している。ほかにもいろんなものがそとにとび出しているよ……」
とりあえず、先にきがえようとおもいましたが、ユウトはますますあわてました。なぜなら……
「うわぁぁぁ! ズ、ズボンのまえがしまらないっっっっっ!」
ユウトは、なにがおかしいのか、気づきました。
「わかった、ファスナーがないんだぁぁぁ!!!」
みんなのファスナーをうばったま王との
たたかいがはじまる
「そう! せかい中のファスナーがきえてしまったの」
ユウトの目のまえにふしぎなすがたをした女の子がいました。
「きみは、だれ?」
「わたしはファスナー王こくの王女、ファスリンよ。ファスナー王こくは、せかい中のファスナーのあんぜんとかつやくをみまもっているの。そこに、らんぼうもののま王があらわれて、せかい中のファスナーをうばってしまったの」
「なんだって?」
「そんなま王をたおせる子がいるときいて、ここにやってきたの。さあ、ユウトくん、いっしょにきて。二人でま王をたおしにいきましょう」
「ちょちょちょっとまって! ぼくにできるかな……」
「だいじょうぶ。これからクイズにこたえながら学べば、ま王をたおすためにひつようなファスナーレベルがアップするわ。キミには、だれにもまけないゆう気がある。ファスナーレベルとともにキミのつよさもアップするはずよ」
「え、でも……」
ユウトは、ズボンのまえを気にして、そわそわしました。
「これをあげる。せかいでさいごに、一本だけのこった、スペシャルファスナーよ」
「スペシャルファスナー……。ん? なにか、かいてある……」
「いいところに気づいたわね。これがファスナーレベルをアップさせるクイズのだい一もんよ」
- Q. この「YKK」とはなんのことでしょう?
- 1ファスナーをつくっているかいしゃの名まえ
- 2やさしい、かわいい、かっこいいのかしら文字
- 3かけっこがはやくなるおまじない
-
ファスナーは、エレメントとスライダーとテープという三つのぶぶんからつくられているの。かんたんに見えるでしょ? でも、こまかいところまで正かくにできていないとファスナーはうまくあけしめできなかったり、こわれてしまう。だから「YKK」は、ファスナーにひつようなぶひんはじぶんたちでつくっているわ。おどろくのは、まだはやいわよ。「YKK」はファスナーをつくるためにひつような、さまざまなきかいも、じぶんたちでつくっているの。いいファスナーをつくるために、どんなきかいがひつようか、じぶんたちがいちばんわかっているからね。
いまでは、せかい中に「YKK」のこうじょうがあって、たくさんのくにやちいきでファスナーをつくっているのよ。くにやちいきによって、ほしいファスナーがちがうばあいもあるけれど、ざいりょうもきかいもじぶんたちでつくっているから、「YKK」はどこにでも、つかいやすくてこわれにくい、よいファスナーをとどけることができるのよ。「YKK」はファスナーをつくっているかいしゃの名まえ。もともとの名まえ「よしだ こうぎょう かぶしきかいしゃ」のかしら文字をとってこのようになったの。
「YKK」はファスナーをつくっているかいしゃの名まえ。もともとの名まえ「よしだ こうぎょう かぶしきかいしゃ」のかしら文字をとってこのようになったの。
ファスナーは、エレメントとスライダーとテープという三つのぶぶんからつくられているの。かんたんに見えるでしょ? でも、こまかいところまで正かくにできていないとファスナーはうまくあけしめできなかったり、こわれてしまう。だから「YKK」は、ファスナーにひつようなぶひんはじぶんたちでつくっているわ。おどろくのは、まだはやいわよ。「YKK」はファスナーをつくるためにひつような、さまざまなきかいも、じぶんたちでつくっているの。いいファスナーをつくるために、どんなきかいがひつようか、じぶんたちがいちばんわかっているからね。
いまでは、せかい中に「YKK」のこうじょうがあって、たくさんのくにやちいきでファスナーをつくっているのよ。くにやちいきによって、ほしいファスナーがちがうばあいもあるけれど、ざいりょうもきかいもじぶんたちでつくっているから、「YKK」はどこにでも、つかいやすくてこわれにくい、よいファスナーをとどけることができるのよ。
ファスナー王こくへ、いそげ!
「ファスナーレベルがアップして、なんだか、ユウトくん、さっきよりつよくみえるわよ」
ユウトは、じぶんでもちょっと、そうおもいました。ユウトは、かてるかどうかわからない、だけど、スペシャルファスナーをぎゅっとにぎりしめて、ま王とたたかうけっしんをしました。
いよいよ、ま王との
ちょくせつたいけつだ
「さあ、ついたわ」
ファスリンはそういいながら、ファスリンジェットをとめました。ファスナー王こくは、あやしいひかりにおおわれ、たかいへいのむこうから、ぶきみなこえがきこえてきました。
「よし、いこう!」
ユウトは、せなかがゾクゾクするのをかんじながら、いいました。
「そのまえに、さいごのレベルアップのクイズよ。これにこたえられたら、さいきょうのユウトくんになれるわ」
二人の目のまえには、三まいのとびらがありました。
- Q. このなかでファスナーがつかわれているものがあるよ。どれかな?
- 1はし
- 2さかなをとるあみ
- 3ロケット
-
ファスナーがつかわれているのは、わたしたちのみのまわりにある、ようふくやバッグだけじゃないわ。たとえば、しょうぼうふくにもつかわれているの。「火じだ!出どう!」というときに、いそいできられるべんりさと、もえにくいファスナーは、しょうぼうしさんたちのつよいみかたね。ほかにも、ファスナーは、びっくりするようなばしょで、かつやくしているわ。
たとえば、ほんしゅうとあわじしまをつなぐ「あかしかいきょう大はし」。はしの下に雨の水をながすばしょがあって、そこにたまるゴミをとりのぞくときに、ファスナーをあけるの。
さかなをとるあみにも、先のほうにファスナーがついているものがあるわ。ファスナーをあけてさかなを出して、また、あみをつかうときにファスナーをしめる。それまでは、ひもでむすんでいたんだけど、ファスナーにしたことでとてもべんりになったそうよ。 -
そして、ファスナーはうちゅうにもとびたっているの。ロケットがふんしゃするたかいねつから、大せつなそうちをまもるカバーについているの。そうちのてんけんやしゅうりのときに、かんたんにあけしめできるというりゆうで、ファスナーがつかわれているそうよ。あと、うちゅうふくには、水や空気をとおさないとくべつなファスナーがつかわれてるのよ。うちゅうのファスナー……。なんだかロマンチックね。
ファスナーがつかわれているのは、わたしたちのみのまわりにある、ようふくやバッグだけじゃないわ。たとえば、しょうぼうふくにもつかわれているの。「火じだ!出どう!」というときに、いそいできられるべんりさと、もえにくいファスナーは、しょうぼうしさんたちのつよいみかたね。ほかにも、ファスナーは、びっくりするようなばしょで、かつやくしているわ。
たとえば、ほんしゅうとあわじしまをつなぐ「あかしかいきょう大はし」。はしの下に雨の水をながすばしょがあって、そこにたまるゴミをとりのぞくときに、ファスナーをあけるの。
さかなをとるあみにも、先のほうにファスナーがついているものがあるわ。ファスナーをあけてさかなを出して、また、あみをつかうときにファスナーをしめる。それまでは、ひもでむすんでいたんだけど、ファスナーにしたことでとてもべんりになったそうよ。
そして、ファスナーはうちゅうにもとびたっているの。ロケットがふんしゃするたかいねつから、大せつなそうちをまもるカバーについているの。そうちのてんけんやしゅうりのときに、かんたんにあけしめできるというりゆうで、ファスナーがつかわれているそうよ。あと、うちゅうふくには、水や空気をとおさないとくべつなファスナーがつかわれてるのよ。うちゅうのファスナー……。なんだかロマンチックね。
「こたえはぜんぶだ!」
ユウトがこたえました。するととびらがひらき、ユウトとファスリンは、ファスナー王こくにとびこみました。中では、ま王が大あばれしていました。ユウトは、ゆう気を出してさけびました。
「やめるんだ!」
「ふん、なんだおまえは?」
「ぼくは、ユウト。せかいのファスナーをとりもどしにきた!」
「うわっははっは。おまえに、なにができる?」
「うぅぅ、たしかにそうだ。ファスナーレベルがアップしたといっても、ぼくは、ふつうの小学生。なにができるだろう……」
「ユウトくん、スペシャルファスナーをつかうのよ!」
「え、これを? せかいはぼくがすくうんだ!」
ユウトは、力づよくスペシャルファスナーをま王にかざしました。
「そ、それはえらばれたものしかもつことができないスペシャルファスナー! おまえにつかいこなせるのか?」
「いまのぼくならつかいこなせるはず! くらえ! ま王!」
とユウトがさけんだところでスペシャルファスナーからひかりがあふれ、ま王をつつみこみました。
「ぷしゅうううううううう」
すると、大きな山のような、ま王のすがたが、しだいに小さく、小さくしぼんでいくのでした。
せかいに、へいわと
ファスナーがかえってきた
「ご、ごめんなさい……」
よわよわしいこえがきこえてきました。そこには、さっきとはぜんぜんちがう、やさしいかおのま王がいました。
「ぼく、ともだちがいなくて……。だれかに、ふりむいてほしくて……、ちょっとだけ、こまらせようとして……」
「それでファスナーをうばったんだね」
「そうしたら、そうぞうしたよりもっと、もっと、みんながこまってしまって、と中で、やめられなくなってしまって……」
「ほんとだね。ぼくも、すごくこまったよ。ファスナーって、いろんなところで、ぼくたちのくらしをささえているんだね」
「ほんとうに、ごめんなさい」
「もういいよ。それより……ともだちがほしかったって?」
「う、うん」
「じゃ、いまから、ともだちになろうよ。あ、そうだ。ぼくのともだちもしょうかいするよ。ファスリン、まだ、まにあうかな?」
「まかせて! さ、ファスリンジェットにのって! ちょっとスピードを出すから、しっかりつかまっててね。いくわよ!」
ファスリンジェットは、はなれたばしょだけでなく、じかんもとびこえることができたのです。ユウトたちが、うんどうこうえんについたのは、まさにドッジボールのれんしゅうがはじまろうとするしゅんかんでした。クラスのみんなは、さいしょはびっくりしましたが、すぐに、ま王となかよくなりました。ま王もたのしそうに、はしりまわっていました。
せかいにへいわがもどり、すべてのファスナーがもとにもどりました。そして、また、まえのように、まい日の生かつの中で、大せつなやくわりをはたすようになったのです。そう! あなたのちかくにある、そのファスナーのように、ね。
おわり
自由研究をしてみよう
おはなしをよんで、じぶんでもしらべてみよう
ちょうさ
いえの中にあるファスナーのかずとしゅるいをしらべよう
おうちの中にどれだけのファスナーがあるのかかぞえよう
手を洗う場合と洗わない場合でどんな
ちがいがあるのか実験してみよう
ちがいがあるのか実験してみよう
- よういするもの
-
-
- ●カメラ
-
- 1よそうをする
かきかたのれい:〇本くらいあるとおもう
- 2しらべる
-
こんなことをしらべてみよう
- ★ どんなところにファスナーがついていたかな?
- ★ ぜんぶでなん本のファスナーがあったかな?
※ようふくやカバンを出したら、たたんでもとのいちにもどすのをわすれないでね!
※いえ中のファスナーをさがすのがむずかしかったら、みつけられたものをきろくするだけでもいいよ -
やってみよう
- これらのファスナーがおうちの中のどんなものにつかわれているか見つけ、しゃしんをとろう
こんなことをしらべてみよう
- ★ どんなところにファスナーがついていたかな?
- ★ ぜんぶでなん本のファスナーがあったかな?
※ようふくやカバンを出したら、たたんでもとのいちにもどすのをわすれないでね!
※いえ中のファスナーをさがすのがむずかしかったら、みつけられたものをきろくするだけでもいいよ
やってみよう
- これらのファスナーがおうちの中のどんなものにつかわれているか見つけ、しゃしんをとろう
-
金ぞくがつかわれているファスナー。
スカートやワンピースにつかわれるやわらかいファスナー。
かるくていろんな色がついているファスナー。
- 3まとめる