【秋8号掲載】岩崎恭子さんインタビュー&着衣泳教室のお知らせ
秋8号P18・19掲載
バルセロナオリンピック平泳ぎ200メートルの金メダリストである岩崎恭子さん。現在は、子どもたちに、水泳の楽しさや着衣泳の知識を広める活動を行っています。
そして、この夏、東京都小平市立小平第五小学校では、6年生を対象に、岩崎さんによる「着衣泳教室」が行われました。
さて、「着衣泳(ちゃくいえい)」という言葉、ご存知でしょうか。その名の通り、衣類を着たまま泳ぐことですが、初めて耳にした人も多いのではないでしょうか。
実は、着衣泳は水の事故を防ぐための有効な手段。いざというときの、命綱とも言えるのです。
「海や川で遊んでいて、もしおぼれそうになったらどうしますか? 服を脱ぐ人?」という岩崎さんの質問に、多くの子どもたちは「はい」と挙手。しかしこれこそが、大きな間違いなのだとか。
岩崎さんによると、空気を含んだ服や靴は、水の中では浮き具のような役割を果たしくれるそう。それにより、体の浮きをサポートします。つまりは、万一、海や川でおぼれそうになった場合、「服の浮く力を利用すれば、沈まず助けを待てる」ということなのです。
「大人であっても、服を脱ぐと思っている人が多いですし、着衣泳を知っている人もほとんどいません。夏になると水難事故があとをたちませんが、着衣泳の知識があれば助かった命は数多くあります。また、実際、着衣泳によって命拾いをしたと事例もあるのです」と岩崎さん。
さらに、おぼれもがく人を助けることも、とても危険な行為なのだそう。
「目の前で人がおぼれていれば、誰もすぐにでも助けようと思いますよね。しかし、おぼれてもがく人の力はとても強く、助けにきた人を水の中に引きこんでしまいます。すると、ともに沈んでしまう最悪の事態を招いてしまいます。助けを待つ人は着衣泳で待つこと。そして、周りの人は救助をすぐに呼ぶことと、ペットボトルやビニール袋など、浮くものを投げ込んであげることが重要です」(岩崎さん)
着衣泳教室では、オリンピックのお話や岩崎さんの子どものころのエピソードも聞くことができました。
14歳で金メダルを手にした岩崎さんですが、水泳をはじめた当初は、練習が嫌いでサボることもあったそうです。しかし、練習をせずに大会に出れば、タイムも当然落ちて、楽しくない。当たり前のことですが、それに気づいたとき、練習の大切さに目覚めたそう。そして、ひとつひとつの目標をクリアしていくうちに、オリンピックの大舞台に立つことができたそうです。
当日は、金メダルを触らせていただくこともできました。写真に写る白いケースは、リオオリンピックのメダル用のケースなのだそう。つまり、リオのメダルは、1992年のバルセロナオリンピックのメダルより、だいぶ大きいようです。
お話しを聞いたあとは、実際にプールで着衣泳を体験。岩崎さんのご指導のもと、子どもたちも挑戦しました。
「着衣泳で大切なのは、体の力を抜くこと」と岩崎さん。子どもたちもコツをつかむと、
上手に浮けるようになりました。
最後に、岩崎さんが泳ぎを披露! 本格的な競泳経験がある男性の先生と岩崎さんが競争をすることになったのですが、なんと、先にゴールをしたのは先生でした。岩崎さんに勝利した先生は、とても嬉しそうでした。
「泳ぐことは楽しいこと。でも、まずは安全でなければなりません。水泳をもっと楽しんでほしいからこそ、着衣泳を知ってもらいたいんです」と岩崎さん。
岩崎さんは、全国の小学校で着衣泳教室を開催しています。ぜひ、みなさんの学校でも、岩崎さんを呼んで、一緒に着衣泳の知識を学びませんか?
岩崎恭子さんに着衣泳を教えてもらえる!
ウェブサイト:株式会社スポーツビズ
TEL:03-5537-8460
スポーツビズ…岩崎恭子さんをはじめとした日本の超一流アスリートや文化人のマネジメントを行う会社です。