【冬9号掲載】荻原健司さんインタビュー&スキー教室のお知らせ

冬9号P10~13掲載

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スキー・ノルディック複合団体においてオリンピック2大会連続金メダルを獲得し、世界中にその名を知らしめた荻原健司さん。ワールドカップや世界選手権でも驚異的な記録を成しとげ「キング・オブ・スキー」と称賛されてきました。そんな、世界のトップとして活躍してきた荻原さんに、子どもたちが夢をいだくためのヒントをうかがいました。

荻原健司さん(おぎわら・けんじ)1992年アルベールビル、1994年リレハンメルオリンピックノルディック複合団体金メダリスト。

【父の一言が、金メダルを目指すきっかけに】
「どうして、スキー選手になったのか? スターになりたかったからです(笑)」 そう話す、荻原健司さん。子どものころからとにかく目立ちたがりやで、「将来は、テレビに出てスターになりたい!」そんな夢をいだいていたそうです。

 「小学校6年生のときに『どうすれば、有名になってテレビに出られるの?』と、父親に相談しました。すると、『そんなの簡単だよ。おまえはスキーが好きだろ。スキーでオリンピックに出て金メダルをとれば有名になれる。そしたら、テレビにだってたくさん出られるぞ!』という答えが返ってきました。それをうのみにしたぼくは、以後がむしゃらに練習にはげみ、金メダルを獲得するまでになったんです」(荻原さん)

そして、お父さんの言葉通り、荻原さんは金メダルをとったことでテレビはもちろん、あらゆるメディアに出演。一躍時の人となり、誰もが認めるスポーツ界のスターになりました。

「ぼくと父の会話は、ちょっとしたたわごとに聞こえるかもしれません。でも、ぼくがスキー選手として世界で活躍できたのはまぎれもなく、父のその一言がきっかけ。もし、あのとき父が『そんなこと、できるわけないだろ!』と否定していたならば、金メダルをとるどころか、スキー選手にもなっていなかったかもしれません」(荻原さん)

【夢にたどりつくための道筋を示してあげることも必要】
二男二女の父親でもある、荻原さん。ご自身の子育てにおいても、「子ども自身が好きなこと」を尊重しているそうです。

「自分自身の幼いころを振り返ってもそうですが、強制されたことや気が乗らないことは、どうしたって続きません。それは、子どもたちだって同じことです。ぼくがスキーを続けられたのは、スキーが好きだったから。好きなことだから、悔しいときもきつい練習を続けられました。『好きなこと』に出合うことが夢をもつことになり、それを続けることが夢をかなえることになる。自分自身の体験も通して、子どもたちにそのことを伝えたと思っています」(荻原さん)

「好き」を見つけること。さらにはそれを「夢」につなげることは子ども自身だけでは、難しいこともある。だから、親としては「きっかけ」の種をまくことも必要なのだと、荻原さんは言います。
「子どものころ、父はぼくを毎日スキーに連れて行ってくれました。そして、『スキーを頑張れば、“有名になれる”』と言ってくれたことが、結果的にぼくの人生の道しるべになりました。最終的に何を選ぶかは子ども自身ですが、楽しいことを見つけるきっかけづくり、それを夢にすることへの後押しは、親として必要なのではないでしょうか」(荻原さん)

ただ「できる」「なれる」だけでは、子どもたちも、そこから前に進むことはなかなかできません。「どういう道をたどればなれるか、そのうえで何を今頑張ればいいのか。夢に近づくためのわかりやすい道筋を示し、具体的なイメージをふくらましてあげることも親の役目だと感じています」(荻原さん)

【大切なのは“自分は無理”と思わせないこと】
「大人の一言が夢へぐっと近づけるいっぽう、遠ざけてしまう一言もある」と、荻原さん。

「たとえば、何かで世界一になった人を『特別な人、雲の上の人』と思わせてしまったら、子どもは『自分はなれない』と感じてしまうかもしれません。でも、『好きなことをがむしゃらに続けたから、一番になれた』と教えられれば、子どもも『そうか、好きなことを頑張れば、世界一にだってなれる』と、とらえてくれるのではないでしょうか」(荻原さん)

かつて荻原さんのお父さんが、荻原さんにかけた「有名になるのは、簡単だ!」「大好きなスキーを、頑張れば世界一になれる」という言葉も、まさにそれに通じます。

「平昌オリンピック・パラリンピックを応援するにあたっても、選手たちを『特別な人たち』ではなく『好きなことを頑張った人たち』として見てもらいたいですね。『世界は、遠くない』『誰だって頑張ればそこに行ける』。そういった思いをいだかせることが、子どものやる気につながるのだと思います」(荻原さん)

 

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