金藤理絵さんインタビュー&平泳ぎのコツ【出前授業】
リオデジャネイロオリンピックの女子200m平泳ぎで金メダルを獲得した金藤理絵さん。今回は、平泳ぎのコツと子どもたちが夢に向かうためのヒントをうかがいました。
金藤 理絵(かねとう りえ)さん
1988年生まれ。2016年のリオデジャネイロオリンピック女子200m平泳ぎで金メダルを獲得。
苦手意識を持たずに、できたときのことを考えて
─ 水泳で苦手意識を持っている子どもが多いのが平泳ぎですが、どのようにすると泳げるようになりますか?
「“足の動き”“手の動き”“息つぎのタイミング”をしっかり覚えることです。特に“足の動き”は手と違って見ることができずに直せないという人も多いです。まずは足だけの動きをしっかりと体に覚えさせて泳ぎましょう。あと、頭をきちんと下げて体が水平になるように気をつけてキックすることが大事。水中では体が伸びているときに前に進むので、しっかりと全身を伸ばすことを忘れずに。人は苦手意識を持つと、そこから逃げたくなってしまいますが、できないことをできるようにするとすごく楽しいはずです。今はつらいと思っても、クリアしたときの『イェーイ』を目指してがんばってください!!」(金藤さん)
─ 金藤さんが水泳を始めたきっかけは何だったんでしょうか?
「姉と兄がいて、2人がプールに通っているのを“楽しそうだな”“面白そうだな”と思って始めたのがきっかけでした。小学校の卒業文集の将来の夢は“オリンピックで金メダル”。とはいえ、このころは具体的な夢というわけでなく、“スポーツをやっている=夢はオリンピック”というようなイメージでした。しかし大学に入って当時のタイムが世界記録と数秒と変わらず、私の練習を見てくれたコーチから『世界記録を狙える』と言ってもらえたことで、自分にそういう力があるんじゃないかと思うようになり、オリンピックが夢ではなくなりましたね。夢が目標になったのだと思います」(金藤さん)
夢は“なれるモノ”ではなく“なりたいモノ”にしよう
─ 子どもたちにとって必要なことは何だと思いますか?
「夢を持つことです。小学生くらいになると頭もよくなってきて、夢が“なりたいモノ”ではなく“なれるモノ”に変わってくるんです。ただ、そこはあくまでも“なりたいモノ”を見つけてもらいたいです。あと、なんでもいいから目標を立てるようにするといいと思います。例えば『社長になる』とかでも全然問題ありません。ただ、叶えるためにどうしたらいいかということを考えるようにしてください。そのためには、大学のとき、高校のとき、中学のとき、今…とやるべきことが見えてくると思います。いつまでに何をするのかという具体的な目標を見つけると、夢が叶いやすくなります」(金藤さん)
─ 夢を持って前に進んでもくじけそうなときはあると思います。そのようなとき、どうやって前に進んできましたか?
「私の場合は親の存在も大きかったです。記録も出なくて辞めたいと思ったとき、私は母親にはもう嫌だということを伝えたんですが、『理絵ちゃんがやりたいといって始めたことでしょう』とはぐらかされて(笑)。そんな時、父親は何も言わかなかったですね。あえて言わずに見守る形で…。両親のバランスがすごくよかったと思います。もちろん、父親が聞く側で母親が見守る側、先生が聞く側で母親が見守る側…などどんな形でもいいと思いますが、様々な判断に大人の目も入れておくことが大事かな…と。判断を子どもだけに任せてしまうと、やはり目の前の苦しいことから逃げちゃう子どもたちも多いので。あと、親にやれやれと言われるとなんでもやりたくなくなってしまうので、言いたい気持ちは少しとどめて、冷静に子どもたちを見守ってあげるといいかもしれません」(金藤さん)
─ がんばっていてよかったと思ったときはいつですか?
「もちろん、子どものころに描いた“オリンピックで金メダル”を叶えたときです。実は私自身、一度諦めたことがあるんです。ただコーチが辞めさせてくれずに…。私の可能性を信じて待ち続けてくれたらから、私ももう一回頑張ろうと思えた。そういう存在がいたことが本当にありがたかったですね。色々やっていると目先のものばかりで精一杯になって先のことがまったく見えなくなってしまう…。でも、1年後か2年後に何か光があるかもしれな。その何かのために進む力をくれるのは周りの人だと思います。そしてそんな周りの人をつくれたのは、つらくてもがんばっていた自分がいたからで…。今どんなに苦しくてもいつかは笑えるのでがんばりましょう!」(金藤さん)
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子どもたちが苦手としている平泳ぎ。少しのコツを教わることで見ちがえるように上達します。ぜひ、みなさんの学校でも、金藤さんといっしょに「平泳ぎ」や「あきらめない気持ちの大切さ」を学びませんか?
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(株)学研イノベーション ソトイコ!編集部