上田誠仁さんに聞いたよ 長距離をもっとラクに走るには?
“できない” を “できる!” にするコツを動画でわかりやすく解説
『大学駅伝の監督に聞いた 長距離をもっとラクに走るには?』(1分16秒)
冬は、マラソンや持久走大会の季節。寒い中で長い距離を走るのは苦手、という人も多いかもしれないね。そこで、大学駅伝を指導する上田監督に、長距離をラクに走るコツを教えてもらったよ!
よい姿勢で立つ
ラクに長く走るためには、よい姿勢が大切。①つま先を閉じて、頭のてっぺんを真上に引っ張られるような気持ちで立つ。②足の指に力を入れて前にかたむくようにして、と上田監督。そうすると、自然に一歩が踏み出せるんだ。まずは、この姿勢を試してみて。
①背筋を伸ばし、おなかを引っこめ、重心が両足に平均にかかるように立つ。あごは引いて。
②誰かに背中を押してもらって、これ以上立っていられない、というところまで、前にかたむく。
骨盤を柔軟に動かし、太もも、ふくらはぎ、うでの力をつけるにおすすめなのが「おしり歩き」。足を伸ばして座り、うでのふりとおしりの力で前に進む。どのくらい前に進めるか、友だちと競争してもいいね!
ペットボトルをつぶすように足を下ろす
ラクな足の上げ下ろしを身につけるには、「まずは、地面に対してまっすぐに足を下ろすトレーニングをしよう」と上田監督。空のペットボトルのふたをきつく閉めて地面に置き、それをふみつぶす練習をするといいそう。ふみつぶす力が必要なので、最初は空気を少し抜いておくのがおすすめ。これができるようになると、こしに集まった力をムダなく足に送り、スムーズに足の上げ下ろしができるようになる。
①手と反対の足を上げて。
②ペットボトルに垂直に下ろし。
③勢いよくふみつぶす!ふみつぶすとき反対の足を垂直に引き上げる。かかとは前に出ないように。
顔の前で両手が「こんにちは」をするトレーニングを
前に進む力(推進力)を生み出すのは、うでのふりの力なのだそう。おすすめのトレーニングは、①手を軽くにぎり、親指をまっすぐ上に向けて鼻の前で合わせる。②ひじはリラックスして、こしのところで止めるように。これを速くしていくと、自然に体が浮くような感じになるから不思議!
①両手を軽く握って、鼻の前で「こんにちは」をするように合わせる。
②①の手を、こしのところまで勢いよくふり下ろす。速く動かせるようになったら、こしのところにくっついた大根をスパッ、スパッと切るようなイメージで。
いつもどおりの力が出せれば100点
仲間といっしょに走ることを楽しんで!
マラソンや持久走は速さを競うものだけど、順位よりも、自分がイメージしたとおりに走ることを目標にしてみるといいよ。スタート直前、緊張しておなかが痛くなることもあると思うけど、「だいじょうぶ、いつもどおり緊張してる」と思えばいい。
大学駅伝に出る選手だって緊張するんだよ。なぜなら、自分が任された区間を走りきる責任があるから。でも、肩にかけた「たすき」は仲間のきずなを表しているし、沿道で応援したり、次の区間で待っている仲間もいる。だから最後までがんばれるんだ。
ここでのアドバイスを参考に、まずは「完走」することを目指してほしいと思います。そうすれば、次につながる自信がきっとわいてくるよ。
上田誠仁(うえだ まさひと)さん
山梨学院大学 陸上競技部監督。26歳で監督に就任後、2017年まで31年連続で箱根駅伝に出場、うち総合優勝3回を誇る。